文星芸術大学 卒業・修了制作展

BUNSEI
Graduation
Exhibition2021

DESIGN / ART デザイン専攻/ アート専攻

終了いたしました。

ご来場のみなさまありがとうございました。

WEB版をぜひご覧ください。

design award

DESIGN 最優秀賞

Design course Grand Prize

「ムシーンズ」 大塚隆平
(デザイン専攻 工芸分野)

私が制作したのは、昆虫の能力を利用したメカ、その名も「ムシーンズ」です。幼い頃から特撮やアニメに登場する格好いいメカが大好きで、虫好きでもあったので、2つを合体させました。自在な飛行能力を持つトンボをジェットヘリコプター風に、森のお掃除屋さんと呼ばれるダンゴ虫を道路清掃車に、木の中を食べて掘り進む鉄砲虫をドリルマシンに、等々。自然界の生物から、構造や機能を観察・分析し、新しい技術の開発やモノ作り活かす科学技術「バイオミメティクス(生物模倣技術)」から着想を経た、世のため人のために働く昆虫メカたち、それがムシーンズです。人々の生活に寄り添い続けてきた焼き物は、歴史も深く、工芸品ということもありお堅いイメージがなかなか拭い切れません。私自身もはじめはそうでした。しかし、そんなイメージを払拭して、「こういうのもありなんだ!」「こういうこともできるんだ!」と、見る人に意外性を感じてもらうことで、焼き物の魅力、モノ作りの魅力をより多くの人に知って欲しいと思っています。今回はデザイン専攻の最優秀賞をいただき、大変嬉しく思います。これからもより良い作品制作ができるよう、精進してまいります。

教員コメント : 迎泰夫

卒業制作に向けて独自の表現(オリジナリティ)について問われる中、素直に好きな世界(昆 虫・特撮やアニメなどのメカ)を自身の制作テーマに掲げ、彼らしいストーリーや現代社会 へのメッセージを内包し、陶磁器の素材表現と必然と向き合い、陶素材を活かした独創的な作品として仕上がっている。制作過程では、造形技法・焼成技法における研究を重ね、炭化による素地の釉の変化を意図 的に工夫し、独自の質感表現の魅力に繋がっている。 また、実に丁寧な「仕事っぷり」は作品細部まで行き届き完成度の高い作品となっており、 日々の取り組み姿勢と4年間の学びが凝縮され、作品にあらわれている。

DESIGN 優秀賞

Design course outstanding performance award

「LIGHT TIME」 石川理恵
(デザイン専攻 デザイン分野)

私の卒業制作のテーマは『光』です。簡単で身近にあふれているテーマですが、その光も様々な表情を見せます。陽の光、街灯の光、何かに反射した光、など、生活の中には当たり前のようにいろんな光があります。今回制作した8点の油絵のモチーフは全て自分の家の中や外、近くの風景を選びました。コンセプトは絵の中に生活感や、温度など、『雰囲気』を重視した作品作りを心がけ、見る人にそれらが伝わるといいなと思いながら制作しました。実は、このような作品を制作する前にはリアリズム作品を描いていたため、写実について考えるきっかけとなりました。油絵の筆のタッチをあえて残して描いてみたり、少し本物から遠ざけてみたり、普段とはまた違う手法を取り入れてみたりと、リアリズムの中に独自性を加えました。たくさん悩んで考えながら制作した作品となりましたが、今後はもっとオリジナリティーを生かした作品作りを目指したいです。

教員コメント : 佐々木悟郎

リアリズム表現の中で、モチーフへの視点、描写の簡潔性、テクスチャー(マチエール)の表し方に独自性が垣間見られる。さらなるオリジナリティーを追求し、作品の発展に希望したい。

DESIGN 優秀賞

Design course outstanding performance award

「対比-手 対比-自画像」 鈴木エイジ
(デザイン専攻 デザイン分野)

この度は、優秀賞をいただき、誠にありがとうございました。これまでご教授して頂いた先生方や、応援してくださった友人に深く御礼申し上げます。作品の「自画像」は、中学3年生のときから毎年、描き続けてきたので、卒制は「自画像」をテーマに作品を作りました。この作品は、大学1年に作った等身大人形のリベンジでもあり、それを達成できたことを嬉しく思っております。張り子で作った等身大の作品を私であることがわかるようにするため、顔つきや佇まいに力を入れて制作してきました。実際に私だと気づいていただいた人達がいたことで、自分のスキルが上達したと実感しました。今後は、大学で培った知識と技術で、新しい作品を作り続けていきたいと思っています。そして、より一層精進して参りたいと思います。

教員コメント : 千葉知司

何を言われても着実に積み上げていくことに勝るものはないのである。
“Be yourself no matter what they say” cf. Englishman in New York, Sting

zoukei award

ZOUKEI 最優秀賞

ZOUKEI course Grand Prize

「Four major elements」 蓮井優樹
(総合造形専攻 日本画分野)

この作品のタイトルの4大元素とは古代ギリシャ思想の1つで、世界の物質が火・水・空気・土の4つの元素から構成されているという概念だ。様々な物体の特性を決定づけているのは温と冷、乾と湿の対立する組み合わせである。火は温と乾、空気は冷と乾、水は冷と湿、土は温と湿。火と水は対照的な元素であると同時に相補的な関係でもある。また、互いに引き合い結合することでものを生み出すことができるとされている。4元素は物体そのものではなく物質に状態を与えるものである。イスラム教やキリスト教の考えでは4元素の働きは神が定めた規則に拠っているとされている。世界とはこの瞬間のあらゆる物質の状態に過ぎないからだ。4元素をコントロールするということは、この世界の在り方を決定するということである。元素を結合させるものが愛であり、分解させるものが憎であるという考えがある。これらの4大元素の概念をアフリカオオコノハズクに落とし込んだ。

教員コメント : 中村寿生

「アフリカオオコノハズク」というフクロウの仲間の鳥がいる。作者はこの鳥からインスピレーションを受け大作に挑んだ。縦3メートルに達するほどの大作である。画面右上に丸い幾重にも描かれた円がある。フクロウの眼だ。毛並は無数の色線となり、強烈なインパクトを与える。制作終盤、画面中央に突如として口のような牙のような表現が生まれた。新たに感じとったインスピレーションであろう。この作品は静止せず動きつづける。どこへ向かうかわからない不安さも混在し、さらに魅力を高めている。

ZOUKEI 優秀賞

ZOUKEI course outstanding performance award

「佐々木梨帆」 佐々木梨帆
(総合造形専攻 立体分野)

卒業制作として今回、大学生活をしたこの四年間の自分をテーマに制作した。自分をテーマにしたきっかけとして2つある。1つ目は大学3年の時に行った金属の抽象表現の授業で他人の心の表現をテーマに制作した為、今回大学最後の制作として自分の心をテーマに制作したいと思ったからである。2つ目は大学2年の時に行ったコラージュ点描の授業で連想ゲームから自分を振り返ることができ、この連想ゲームから発展した言葉を使い、自分を表現したいと思ったからである。素材を金属にした理由として、この大学生活で一から学び、探求したのが金属だった為、この制作でも金属を使用した。形のコンセプトとして自分のデッサンの特徴でもある凹凸表現が一番に挙げられる。また、自分が尊敬している彫刻家のブルジョワ・ルイージの作品やミケランジェロ・ブロナローティの筋肉表現を作品の抽象で表現した。次に、足の本数はこの大学生活で親友2人と私、この3人で行動していたことが多く、私の大学生活で一番助けられた2人を作品の要素に入れたいと思った。

教員コメント : 吉田利雄

3本の足で大地を捉えて「点」で立つ姿は、安定と脆さの両方を感じさせてくれる。丸い皿で構成された物体は、外骨格の生命体のような印象を受ける。「鉄」という素材の持つ冷たく跳ね除けるような材質感と、柔らかく丸みを持ったあたたかい表現性によって創造された力作といえる。試行錯誤とコロナ禍の中で、ここまで大きな作品を一人で作り上げた経験は、おおきな自信と成長につながったことだろう。作者の堅実で真面目な姿勢は、今後の活動への期待として楽しみである。

ZOUKEI 優秀賞

ZOUKEI course outstanding performance award

「胎動」 生井穂乃香
(総合造形専攻 立体分野)

この作品は、私自身が出産を経験し、妊娠中に感じた最初の胎動を温かみのある段ボールで表現しました。造形的な形は、最初の胎動のようなニョロニョロとミミズが動いているような感覚を表現しています。そして 3つ取り入れた要素が「木」「ツル」「根」です。ツルは木に巻きつく、張りつくなどをして支えられながら枝を発達させ成長をし、根はツルを固定し支える役割を持っています。私はそれを「母」と「子」に重ね合わせ、自身お腹の中で人間としての機能を発達させ、のびのびと活発に動き回る子を表現しました。

教員コメント : 吉田利雄

段ボール紙の再生利用による作品制作という点からすると、リサイクル素材として新たな造形的開拓領域を示すことのできた作品でもあり、環境とのかかわりの中で生み出された問題提示を含んだ作品ともとらえることができる。素材感を隠すことなく、紙の特性や材質感を生かした作品であり、「木」が原料の段ボールが、根源の根っこにまで戻っていった造形的表現は物事の「輪廻」を感じさせる大作だといえる。